
甘く、苦く
第82章 末ズ【Omens of love.】
どうしようか。
でも、潤くん本人に聞いたら
意味無いしな。
「…もしもし?あ、俺なんだけどさ…」
こういう時、友達って本当に助かる。
友達にパティシエがいてよかった。
「うん、誕生日ケーキ作りたくてさ。
どういうのが王道?
やっぱ生クリームのやつ?
…うん、ありがと。」
潤くん、チョコのCM出てるし
チョコケーキの方がいいかな。
あ、ガトーショコラとか?
いや、タルトとかの方がいいのかな。
…どうしよ。
俺今、すっごいドキドキしてる。
超楽しみにちゃってる。
「…よし。」
美味しいケーキを作るんだ。
だって、俺の大好きな人の
年に一度の大切な日なんだから。
俺が一番最初に祝うんだから。
