
甘く、苦く
第82章 末ズ【Omens of love.】
ちょっと考えているような声のあと、
『今から行くから、待ってて。』
なんて、あの日みたいな声がした。
「…うん、待ってる。」
すぐ行くから。
それだけ言われて切られた電話。
乱暴だったけど、そこが好き。
俺のことしか考えてないときの
潤くんって、少し大雑把で乱暴だ。
「…んふふ。」
窓の外を見つめながら、
潤くんの車を探した。
まだ来ないけどね。
でも、浮かれた気分でいるのも悪くない。
メンバーの前じゃこんなことできない。
多分、潤くんの前でもこんなに
テンション高い姿見せたことない。
…恥ずかしいし?
「…早く来ないかなぁ…」
潤くん、どこら辺まで来たかな。
さすがにまだ、来ないよね。
潤くん来たら何しよう。
っあ、ご飯食べてないかな。
それより晩酌の方がいいのかな。
あ、今日泊まってくよね…?
…………寝室、綺麗にしておこうかな。
