
甘く、苦く
第82章 末ズ【Omens of love.】
俺の家なのに、変にドキドキしてる。
悪いことしてるわけじゃないのに、
なんでこんなにもドキドキしてんだろ。
…変なこと考えちゃダメだ。
取りやすいところに置くだけ。
そう、置くだけ。
それだけでいいんだから。
ティッシュとか、ゴムとか、ローションとか。
別に、見慣れたもの。
だから緊張なんてしなくていいのに。
「…っ……」
なんでこんなにも、
胸がきゅっと締め付けられるんだろう。
なんでこんなに、愛しいんだろう。
…どうしよう、どうしよう……。
胸が、壊れちゃいそうだ。
早く、潤くん来てよ。
俺もう、ドキドキし過ぎて倒れそうだよ。
「…シャワー浴びよ。」
もやもやを消したい時には、
これが一番いい気がする。
ちょっと冷たい水を頭から被って、
気持ちをリセットしよう。うん。
まだ潤くん来ないよね。
来たとしても、
スペアキー持ってるし大丈夫。
