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甘く、苦く

第89章 翔潤【純粋に】


櫻井side


寂しいって言ったから、
いつもより早めに風呂から上がってきたのに。

パソコンと向き合う潤は
メガネをかけているせいか、
いつもとは違う雰囲気を纏っている。

寂しさを紛らわすために、
ビールをあおった。

そんな俺のことを気にも留めない潤。

悲しくなって、
声をかけても変わらない。

俺との時間を作るために
残業はしない。

そういっていたのに、
持ち帰りの仕事があるなんて聞いてない。

だったら俺も残業してくればよかった。

なんて捻くれた考えが巡る。


堪え切れなくなって、
潤の肩に手を置いた。

俺だって、ずっと我慢してるんだ。


「ねぇ、まだ…?」


寂しいのは、
お互い様だったんだろう?

なら、思いのままに動いてもいいはず。


・・・


「ここじゃ、やだ…」


そう言っても、
潤はもう止まらないだろう。

スウェットパンツのゴムに手をかけて、
そっと忍び込んできた潤の手。


「ふぁ、あっ、」


ご無沙汰だったからか
俺の口からひっきりなしに
甘い声が溢れてしまう。

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