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甘く、苦く

第92章 にのあい【人生の半分】


相葉side


「も、やめてよ」

「可愛いよ、にの」


窓から差し込む柔らかい日向。


「やめて笑」


両手で顔を覆い、俯くにの。

そんな姿が愛おしくてたまらなくて、
ずっとずっと眺めてしまう。

さらさらの髪の毛が、
また揺れる。

暖かい笑顔とともに、
赤く染まる頬。

この雰囲気が、俺はすごく好き。


「ねぇ、にの」

「ん?」

「幸せ」


俺を見つめるにのの瞳は、
いつだって麗しくて、
水晶のようで。

いつも魅入ってしまう。


「…うん、俺も」


ああ。どうして。

どうして人間の脳は、
忘れたくない一瞬ほど
記憶から消してしまうんだろうか。


「…んふふ、照れてる?」

「照れてない、照れてない」

「うっそだー、耳赤い」

「お前ほんとムードない!」


ー終わりー

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