テキストサイズ

甘く、苦く

第3章 磁石

櫻井side
あーあ、ニノ来ないかなぁ、、、
何度もLINEしても既読したまま返事が返ってこない。
つまんないのー、、、寂しいよ、、、
ニノが来なくなったのは、一ヶ月も前のこと。
急に別れを告げられた。
「翔ちゃん、ごめんね。」
最後に言われた言葉。
悲しすぎてそのときはただ、ボーッとしてるだけだった。
でも、最近になってわかってきた。

俺は、帰り遅いしニノの誘いにも全く応じなかった。
多分そうなんだ、、、
ニノの誘いには、いつも何らかの理由をつけてたから、、、
疲れてるから、、、明日朝早いから、、、
いっぱい言い訳した。
それが不満だったんだろうなぁって、最近思い始めてて、、、

ごめんね、ニノ、、、なんて言ってもキミにはもう届かない。
今なら、、わかるよ、、、、
だって、、、さ、、、ニノが最後に残してくれた言葉の意味
何回も考えた。
「翔ちゃん好きだよ、愛してるバイバイ、、いってくるね、、」
ニノが残してくれた手紙。
毎日何回も読んだ。

「ニノ、ごめん!もう一回会いたいよ、、、」
LINEで、何百回目の言葉を送る。
「あ、既読ついた、、、、」
ちょっと嬉しくても返事は返ってこない。

「ニノ、、、、、」
愛しい彼の名前を呼ぶ。
そんなこと言ったって、、ニノは帰ってこないのに、、、
「ニノ、、、、会いたいよ、、、、」
ニノの名前を呼んでいるうちに涙がポロポロと出てきた。
今になってバカみたい、、
もう、、、キミには 会えないって、、わかってるのに、、、
頭ではわかっていてもココロがついていかなくて、、、
「ニノ、ニノ、、ニノ、ニノ、ニノ、、、うぇっ、、」
ふと、後ろから視線を感じた。
振り返ると、、、
「もー、ニノ、ニノ、うるさいよ。翔ちゃん、ごめんね?
長期の出張でさぁ(笑)って何泣いてんの?」
「長期の出張、、、?」
「あれ?言わなかったっけ??
翔ちゃん、好きだよ、、愛してる、いってくるね、って」
あれって、、、
「えっ?!!別れるってことじゃないの?」
「バカッッッッ!!!!!んなわけないだろ!
翔ちゃんのいない毎日辛かったんだからね!!」
むぎゅっとニノが抱きついてきた。
どうしよう、、、今度は嬉しさの涙がポロポロ溢れてきた。
「翔ちゃん、大好きだよ、、もう離れないからね、、」
「うん、、、俺も、、離れないよ、、うぇぇぇぇ、大好きぃーー!!」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ