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甘く、苦く

第21章 磁石【甘えてよ。】

櫻井side


「翔ちゃんの、ばか!」


収録が終わり、楽屋に戻るなり
言われた言葉。


はい?俺がなんだって?



「翔ちゃんのばか。
最低。大嫌い。ばか。あほ。」


ぶーぶー言ってるニノをあやすように、
リーダーがご機嫌をとってる。


「ほら!ニノ、う○い棒あるよ?
ニノが好きな味。取っといたから、食べな?」
「いりません。そんな、子供じゃないです。」


ぷいっとそっぽを向かれ、
リーダーがしょんぼりしている。


次は松潤。


「ほら、ニノ、コーヒー買ってきたよ?」
「いりません。砂糖入ってるの、嫌です。」


松潤も我儘なニノに負ける。


そこで、一番空気の読めない奴。
相葉くんが現れた。


「ニノちゃん? どーしたのー?
そんな顔しないでさ~。スマイルスマイル♪」
「…うっせぇよ…黙れ。
ばか。あいばか。あっち行け。」


ニノが相葉くんの足を蹴る。


そしたら、相葉くんが俺の傍に寄ってきた。


「翔ちゃん、ニノ酷い。
ねー、なんとかしてよぉ…」
「は、はは…どうにもできない…」


相葉くんが俺の服の裾を
くいくいと引っ張る。


それ…やめてくれませんか…?

ニノの視線が痛いんだよ!


「もう、しりません…」
「あ、ニノ…」


ニノに伸ばした手も阻止される。


楽屋は一瞬静まり返ったが、
いつもの空気が流れ出した。


「もー、ニノちゃん、どーしたんだろーねー?」
「半分は相葉くんのせいだと思う…」


ニノはね、すぐに、嫉妬するから。

嫉妬のチャンピオンクラスだよ?


「いやぁ、リーダーのは、
面白かったなぁ。まさかリーダーでもだめなんだよな。」
「いけると思ったのに…」


相葉くんは俺の隣から離れない。


こーゆーことするから、
ニノが嫉妬するんだろうけど…


メンバーとの仲も同じくらいにしたい。


俺の特別はニノだけど、やっぱり、
みんなが大好きだから。


一人だけを、っていうのはちょっと
難しいかな…



さて…ニノはどこにいったかな?

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