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甘く、苦く

第25章 櫻葉【愛を誓うよ】

櫻井side



「ば、ばかっ…」


顔が赤くなるのがわかる。

雅紀からのキスは甘くて、溶けてしまいそうだった。


「ふふ、翔ちゃん照れてるのー?
かーわーいーいー」


なんて言って、俺をおちょくる雅紀。


「かわいく、ないしっ!」
「否定するの?
そーゆーの、めっちゃ、かわいいんだけど…」


耳元で囁かれて、体中に電流が走る感覚がした。

雅紀は……ずるい…



「ほ、ほら!もういくよ!!
雅紀のばかっ!」
「あ、そーゆーこと言う?
翔ちゃん、俺、ばかじゃないから。」


そう言って、またキスされた。


俺は、恥ずかしくて、俯いているだけだった。



そのうちに、水族館について、
雅紀が優しくリードする。


俺は、雅紀の手に引っ張られるだけだった。

雅紀に触れている手が、熱くて、
魚なんて、目に入ってこなかった。



「……ちゃん、翔…ゃん…翔ちゃん?」
「へ?…あ、ごめん…」


そうだよ、デートに来てるんだから
ちゃんと、雅紀と楽しまなきゃ…


「気分、悪い?
ちょっと休もうか?」
「あ、ううん!大丈夫だよ。
ごめんね?ちょっと考え事してた…」


雅紀は俺をぐいぐい引っ張って、
館内のカフェに入った。


「座ってて?休んでいいよ?
あ、眠たい?そしたら、凭れ掛かっていいからね?」
「だ、いじょーぶ、だから…
ごめんね?折角のデートなのに…」


俺が凹んでると、
雅紀が両手で頬を包み、
俺にキスをした。

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