テキストサイズ

甘く、苦く

第37章 にのあい【魔法が解けてしまう前に】

相葉side


「和、どうしちゃったのかなぁ…」


松潤が見に行ってくれた。


……俺じゃなくてね?


隣の翔ちゃんが「心配すんなよ」って
頭を撫でてくれた。


……優しい…


「うん、心配しないどく。
……心配だけどね…」

「……行けば?」

「嫌だ…和に怒られるもん」


「こっちくんなあいばか」とか
「迷惑なんだよ」とか言われるもん。


……会いたいけど。


「嫉妬じゃね?」

「「え……?」」



寝ていたリーダーが起きて
喋り始めた。


「え、嫉妬って、そんな…」

「相葉ちゃんと翔ちゃん、
さっきからずーっと喋ってるじゃん。」

「……まあ、ね?」

「絶対それでしょ」


…和のこと、かまってやれなかったから?


「俺、和のとこ行ってくる!」

「「行ってら~」」


和が大体行くところって
自動販売機の横のソファー?

俺がそこに向かって歩いてたら
和の声が聞こえた。


「大体あの人、ばかなんだよ。
鈍感すぎるよ…いつもいつもヘラヘラ笑ってさ、
周りの機嫌ばっかりとってるじゃん…」


……俺のこと、だよね…?


そんな風に思ってたの?


俺、やっぱり、邪魔だった?


和にとって、俺って……

要らない存在?




「この前だってさ、まーくんが
帰ってくるまで待ってたのに
まーくんは帰ってきてもなんにも
喋んないから俺が喋りかけたら
うるさいって言ったんだよ?」



……覚えてる。


あの日、撮影でうまくいかなくて
イライラしていた。


……和を傷付けていた。


最低だよ……彼氏、失格…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ