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甘く、苦く

第37章 にのあい【魔法が解けてしまう前に】

二宮side




…リーダーの前でキスはないでしょ、キスは。



俺がまーくんを軽く睨み付けると、
まーくんはえへへ、って笑った。



「…もー、ばかあ、人の前でしないでよ…」

「えへへ、ごめんごめん」



まーくんが笑う。


結局俺は、この笑顔に負ける。


…だめだ…


こんな眩しい笑顔、向けられたら
だめだ…



「ほら、撮影行くよ!
あいばああああか!」

「むっ、ばかずなりめ!」



まーくんが俺の頭を
わしゃわしゃしようとしたから、
慌てて避けた。


…ったく、あんたは…



「…和、後ろ…」

「はあ?なんだよ…」



俺が後ろを向いたら、そこには
翔ちゃんが怒ってるときの顔をしてた。

この人さ、怒ってるとき
なんか、冷たく笑うんだよね。




「二人とも!静かに歩け!ばか!」

「「は、はぁぁぁい」」



俺たちは顔を見合わせて笑った。

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