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甘く、苦く

第38章 お山【どんなときも】session 2

櫻井side



「ふわあ…さとっさんおはよ」

「あ、翔ちゃん!おはよー」



キッチンからはいい匂いが漂ってくる。


きっと、さとっさんが朝ご飯を
作ってくれたんだろう。



「翔ちゃん、美味しい?」

「んー、うまい」



卵焼きを口に運びながら
さとっさんと喋る。


うま。


一日の活力源だな。



「翔ちゃん、慌てて食べすぎ。
ご飯粒頬っぺについてるよー」



そう言ってクスクス笑うさとっさん。


し、仕方ないだろ?


楽しんで食べたいところだけど、
仕事の時間が迫ってるんだよ。



「あ、もうこんな時間…
翔ちゃん、間に合う?」

「んー?間に合わせる。」



さとっさんが食器を片す。


あ、もうこんな時間じゃん。やっべぇな笑


いや、笑ってる場合じゃなくて
結構まじでやばいんだよね。うん。



「翔ちゃん、準備できた~?」


玄関からさとっさんの声がする。


「んー、あとちょっとー」


俺が返事したら、
「先に車行ってるねー」
だってさ。


…置いてかれた。


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