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甘く、苦く

第38章 お山【どんなときも】session 2

大野side




……なに、あれ?


相葉くんと翔ちゃん、すっごく
仲が良さそう…


いや、そりゃメンバーだから当たり前なんだけどさ、
あんなに俺の前でベタベタするなんてさ…

有り得ないんだけど。



「リーダー、顔気を付けて」


ニノがこそっと耳打ちした。


…俺、すごい顔してただろうな。



「ん、気を付ける…」




とか言いながらも、二人の
いちゃつきに嫌でも目がいってしまう。


だって、目の前でいちゃつかれたらさ、
そんなの我慢できるわけがないじゃんか。



「はは、相葉くんは寂しがり屋だなー」

「そ、そんなことないしっ!
ニノの方が寂しがり屋だもんね!」



…あんな二人、見たくないのに。


目で追ってしまうんだ。



見たくないって言ってるのに、
二人を見ている自分も嫌で、
二人を見て嫉妬をしている
自分も嫌で。



…こんな俺、翔ちゃんに見られたくない。



そう思ってたら、翔ちゃんが
心配して俺の方に駆け寄ってきた。



「さとっさん、どうし…「やめて!」


翔ちゃんが俺の頬っぺたを
両手で包み込もうとした。


けど、反射的に避けてしまった。


翔ちゃんは大きく目を見開いて
俺を見ている。



「っ…ごめん。」

「あ、いや、俺も、なんかごめん…」


気まずい空気が流れる。


…これから撮影なのに。


あー、もう、なんで喧嘩なんてしちゃうのかな。

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