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甘く、苦く

第39章 大宮【それはやっぱり君でした】

もっと簡単に、そう、素直にさ…


君も僕もわかるくらい簡単に。


伝えればよかったのかな…


『好き』なんだと…




二人で所構わずじゃれ合ってさ。


ふざけ合ったことや、
同じ時を共に歩いてきたことも…


気兼ねなく触れて話して笑って
そんな関係(とき)を総て捨てても…




作れなくなって、歌えなくなって。


でも、君に届けたくて…


君を…迎えに行けたらな…



もう、僕にはわかっているんだ。


君のいる場所が。


喩(たと)え目には見えなくても
君はいつも隣にいるようで遠いんだ。



だから…辛くて辛くて


君の想いが痛いほどわかるから…


どうしてもいけないんだ。


「まだまだ頑張れるだろう」って
君が笑ってみてるから。

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