甘く、苦く
第9章 お山 【君の隣で…】
しょうちゃんに告白して、3週間。
特にかわったことはない。
キスしたり、手を繋いだりするぐらいしかないし。
そんなにヤりたいなぁっ、て思わないしょうちゃんも思ってない....と思う。
「リーダー!あーそーぼー!」
ニノが寝かけていた俺の体を揺らす。
「えー?することないじゃん。」
こんなに狭い楽屋で何ができるって言うの?
「俺とじゃなくてぇ、しょうちゃんと!」
そう言うとニノは小包を俺に渡して楽屋をでていった。
なんだこれ??
そう思って小包をあけると、中に入っていたのは....
手紙と、また小包。
あけてみると......
ゴムとローション、媚薬とかいてある。
手紙には「しょうちゃんとの夜を楽しんでね♪」と書いてある。
はぁ??それしか言いようがない。
もしかして、しょうちゃんは俺とヤりたい.......とか?
んな訳ないか。
うん。ない。多分、いや絶対ニノが仕組んでるだけだ。
俺たちをからかうために。そういうことにしておこう。
「リーダー、ヤりたい!」
その夜、しょうちゃんがそんなことをいった。
「はあ??」
びっくりしてへんな音程になった。
「だから、ヤりたい......って、言った。」
顔を赤くするしょうちゃん。
ニノはこれを感じ取ってた?いやいや、偶然?
「ニノから.......貰わなかったの?」
ニノから??
ますます混乱する。
「貰ったよ。うん。ちょっとまって。
整理するから。はい。はい。」
冷静になれ。そう言っても、冷静になんてなれなかった。
「リーダー......抱いて?」
その声は悲しそうで.....でも色っぽくて.....
俺の"冷静"と言う歯車を乱した。
もうなんでもいいや。
そう思って、俺はニノから貰った小包を手に取った。