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甘く、苦く

第42章 磁石【先生と俺】

二宮side




俺はいつも保健室に行く。


具合悪い訳じゃない。


ただのサボり。


授業とかつまんないし
寝てる方がラクなんだもん。


それに…



「なんだ、二宮かよ。
またサボりだろ?」

「へへ、せんせぇ…」



櫻井先生がいるんだもん。


この空間が大好き。



でも、俺が思ってる好きと
櫻井先生の好きはちょっとずれてる。


うん、俺は櫻井先生が
好きだから来てるの。


櫻井先生にとっちゃぁ
お遊びかもしれないけど。



「二宮、単位落とされるぞ?」

「出るのは出てるもん」

「へー?そういう悪い子には
お仕置きしちゃうぞ?」



櫻井先生はかけてた眼鏡を外して
ポケットの中に入れた。


俺に近付いてきて、
優しくキス――――すると思ってたのに。


途中で止まっちゃった。



「誰がするか、バーカ」

「った!」



先生のデコピン、痛いよ!


俺がおでこを擦ってると
頬に違和感を感じた。


ふわっと櫻井先生の
いい匂い。


俺が櫻井先生に
惚れた瞬間。

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