甘く、苦く
第43章 翔智和雅×潤 【みんなのもの】
「早く選んでよ。」
いやいやいやいや、
急かさないでくれ、ニノ。
俺がまだフリーズしてたら、
リーダーが頬をキスをした。
「「「あああっ!ずりぃ!」」」
三人のバカデカイ声が
楽屋に響き渡る。
うっせぇよ。
廊下に聞こえんだろうが。
いつもの俺ならこういってたかもしれない。
…え?
リーダーがキス?
…うん。
おかしいよな。
これ夢だ。夢。
「…潤、おいで」
「翔くん…」
翔くんに手招きされて
ふらっと近付いた俺。
翔くんが俺を優しく抱き締めて
唇を重ね合わせた。
……んん?
この人もなんだか危ない人?
あーっと。
えーっと。
うーんと。
いったん帰りましょうか。
「潤くん、俺もだーいすきっ」
相葉くんがちゅっと軽く触れるだけのキスを
顔の至るところに落とす。
あー、早く夢が覚めないかな。
俺がぼーっとしてたら、
ニノが背伸びしてキスしてきた。
「くふふ、潤くん間抜け~」
楽しそうに笑うニノ。
あー、えー、んーー?
「はぁぁぁぁぁ!?!?」
「潤くんうるさーい」
ケラケラ笑う相葉くんとニノ。
いや、これは夢なんかじゃない。
現実だ。
え、みんなが俺を好き?
いままでそんな要素ひとつもなかったぞ?
どうしたらそうなるんだ?
「ほら、誰か一人選んで」
リーダーが上目遣い気味に
俺を見上げる。
「誰か一人って…」
「…選べないんですか?」
ニノが子犬みたいな瞳で
見上げてくる。
…いや、そういう問題じゃなくてさ。
「俺ら、男同士だし」
「…ばかっ」
相葉くんが俺に抱きついた。
はい?
全然ばかじゃないし。
てか、未だに理解できてないし。
「潤くん、だーいすきっ」
相葉くんが俺に抱きついてるからか、
他の三人からの殺気がすごいんですけど。