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甘く、苦く

第44章 末ズ【僕の世界、君の世界】

二宮side





「なっ、なんだこの服…」



撮影だからって、
いくらなんでもこれは……




鏡に映る自分の姿を見て
唖然とする俺。



……こんなんで
テレビ出るとか、
放送事故だろ。



「…いやだ」



鏡に頭をごんっとぶつける。



……こんな格好、
やまたろ以来だぞ……?



「ニノー?」

「わっ、わっ!
待って待って!
まだ……っ!」



俺がカーテンに隠れると
潤くんが扉を開けた。


…やば。

絶対カチューシャ見えてる。



「ニノ?」

「ま、ま、待ってて…」



潤くんがズカズカと
俺に近付いてきて
カーテンを引き剥がした。



そして…俺の姿を見て
絶句した。



そうだよね。
そうだよ…。


こんな格好…
男の俺がする格好じゃない。



「それ、ニノの服じゃないけど…」

「へ!?」



名札を見たら、
確かに違う。


女優さんの名前。


俺の…ばか。



なにやってんだよ。

恥ずかしいっての。



俺は急いで着替えて
スタジオに入った。


さっきまでの…
全部黒歴史だよ。

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