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甘く、苦く

第45章 にのあい【現在進行形】

大野side



にのは今日も俺ん家に来た。

なんか午前中で仕事が終わったから
行ってもいい?って。



「えらっしゃーい」

「えらになってるよ。
おじさん」



にのはケラケラ笑いながら
玄関を開けた。


うん。

明るくなったな。




相葉くんと翔ちゃんが
付き合った直前は魂が
抜けたみたいだった。


毎日俺ん家に来て
泣いて泣いて…疲れたら寝て。


子供みたいだった。




「…大野さん、汚い」

「だってさ、絵を描いてる途中に
お前が来るんだもん。仕方ねぇだろ」

「ぶー…」




唇を尖らせて
俺に見つめるにの。


そんな顔したって
全然怖くないし。




「…昼飯食う?」

「作ってくれるんなら
食べたいなー?」

「はあ?手伝えよ」

「おーのさんの意地悪ー」



にのは笑いながら
キッチンに入ってきた。



「なに食べたい?」

「オムライスー」

「ガキかよ」

「ガキですよーだ」



べーっと赤い舌を出して
冷蔵庫から卵を取り出した。



…てか、よく場所知ってんな。


にのはあっという間に
オムライスを二つ作った。



「おじさん…手伝えよって言ったくせに
なんにもしてないじゃん。

立場逆だねー」

「にのの方が料理できんじゃんか」

「ふふ」



顔の横でVサインをして
俺に笑顔を向けるにの。

うん。


明るくなった。



…けど、相葉くんの事は
避けてばっかり。



どうにかならないのかな。

このままじゃ、なんか嫌だな。

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