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甘く、苦く

第45章 にのあい【現在進行形】

相葉side




翔ちゃんと付き合って
数ヵ月。


「ねぇねぇ、翔ちゃん、
どこ行くー?」

「…んー、
相葉くんの行きたいところ」



今日は土曜日で
ちょうどオフの日。


翔ちゃんがドライブでも行く?
って言ったから暇だったし
行くことにした。



「…どこ行くの?」

「えっと…えぇーっと……
翔ちゃんの行きたいところ」

「…んー、特にないけど?」

「じゃあ、水族館行こうよっ」

「わかった」



翔ちゃんはアクセルを踏み込んだ。





俺と翔ちゃんが付き合うことを
発表してからにのが
話してくれなくなった。

遊んでくれないし、
家にも来なくなった。


なんでかな?って翔ちゃんに
聞いてもモゴモゴして、茶化すだけ。


俺、なんかしたのかなあ。

いつも悩んでるけど、
全然わかんないし。



「…相葉くん、なに寝てんの。
起きてってば」

「んぅぅ?」




瞼を開けると
もう水族館に着いていて。


翔ちゃんが帽子を被って
俺にも帽子を被らせてくれて。

「ん」って手を目の前に差し出して
俺をリードしてくれた。



…最近感じるんだよな。


俺、このままでいいのかなあって。


あ、にのとの関係の事ね?
このままじゃ、寂しいよ。

リーダーとばっかり話してさ、
リーダーん家ばっか行ってさ。

俺だけ避けて。
笑いかけてもくれなくなって。

返事は「ん」とか「はい」とか
出会った頃みたいに他人行儀。


俺はにのといるあの空間が
大好きだったのにさ。

あの笑顔が
大好きだったのにさ。

いつだって"アレ"は
俺のものだったのにさ。


…って、俺には翔ちゃんがいるでしょ。

んもー、疲れてんのかな。



目の前を歩く翔ちゃんの
背中をじっと見ながら考えてた。



…にのとこのままでいいのか。

俺は決めなくちゃいけない。

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