
甘く、苦く
第46章 磁石【move on now】session1
櫻井side
「翔ちゃん、おはよう」
「え?あぁ、雅紀か…」
「雅紀かってなんだよぅ」って
唇を尖らせてぶーぶー言ってる。
…やかましい。
「雅紀、俺…」
「うわわわっ!
出社時間過ぎちゃうよー!」
雅紀はだーっと走って
人混みの中に消えていった。
…ったく、この会社は
無駄にでけぇんだよ。
会社に対する文句を
ぶつぶつ言いながら
階段を上る。
「翔ちゃん、遅いよー」
「あー、わりぃわりぃ」
雅紀はストンっと椅子に腰を下ろした。
…腹減った。
あー、コンビニでも寄ってくりゃ
よかったわー…
朝礼が終わって個人の作業に移る。
「じゃ、翔ちゃん頑張ってねー」
「あいよー」
俺は保険会社に勤めている。
雅紀は同僚ね。
いつものメモ帳を取り出して
パラパラっとめくる。
「今日は…二人か」
午前に一人、午後に一人、
早めに終わったら明日の準備でしてるか。
もう顔見知りの人と
挨拶を交わす。
みんな、いい人だ。
…あれ?
……道迷ったかも。
よし、引き返そう。
「翔ちゃん、おはよう」
「え?あぁ、雅紀か…」
「雅紀かってなんだよぅ」って
唇を尖らせてぶーぶー言ってる。
…やかましい。
「雅紀、俺…」
「うわわわっ!
出社時間過ぎちゃうよー!」
雅紀はだーっと走って
人混みの中に消えていった。
…ったく、この会社は
無駄にでけぇんだよ。
会社に対する文句を
ぶつぶつ言いながら
階段を上る。
「翔ちゃん、遅いよー」
「あー、わりぃわりぃ」
雅紀はストンっと椅子に腰を下ろした。
…腹減った。
あー、コンビニでも寄ってくりゃ
よかったわー…
朝礼が終わって個人の作業に移る。
「じゃ、翔ちゃん頑張ってねー」
「あいよー」
俺は保険会社に勤めている。
雅紀は同僚ね。
いつものメモ帳を取り出して
パラパラっとめくる。
「今日は…二人か」
午前に一人、午後に一人、
早めに終わったら明日の準備でしてるか。
もう顔見知りの人と
挨拶を交わす。
みんな、いい人だ。
…あれ?
……道迷ったかも。
よし、引き返そう。
