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甘く、苦く

第48章 モデルズ【反比例・比例】

相葉side




絶対に潤が悪い。

俺は悪くない。



きっかけは些細なことだった。


潤が昨日、翔ちゃんと飲みに行った。

…俺になんにも言わないで。



ひさしぶりに俺は早く帰ってきたから、
潤のために夜ご飯手抜きしないで作ったのに。

…なのに。



いくら待っても、潤は帰ってこなくて。


さすがに心配になって
連絡を入れたら「翔さんと飲んでる」


そんな返事しか返ってこなくて。




…なんで言わないの?

教えてくれないの?

俺にバレちゃいけないこと?



「ただいまー。」



って帰ってきたのは、
もう時計がてっぺんを指した頃で。


真っ暗なリビングのソファーの上で、
パジャマ姿で体育座りしていた。



「あ、え、ま、雅紀っ!?」

「…随分遅かったじゃん?」



全然酔ってないし。

どーせ飲んでないんでしょ。

何しに行ったの?

翔ちゃん家?



「…ごめんね。まさ――「いい。」



潤の声なんて聞きたくなくて
寝室に閉じ籠った。



…うそ。



本当は潤の声を聞きたい。
抱き締めて欲しい。
キスだってして欲しい。


素直じゃない俺は、
そんなこと言えなくて。


ただ、一人でポロポロ
涙を溢すだけ。

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