甘く、苦く
第48章 モデルズ【反比例・比例】
潤と翔ちゃんは時間ギリギリに楽屋に来た。
…しかも、二人で。
俺が唇を尖らせていると
にのが気を遣って話しかけてくれた。
「…相葉さん、ちょっといい?」
「え、あ、うん。」
にのが俺の服の裾をつまんで
ぐいぐい引っ張る。
…ちょ、服伸びる…。
慌ててにのの手を掴んだら、
動きが止まった。
そのまま、にのにぶつかった。
「っもー、急に止まんないでよぉ…」
「…急に手ぇ繋ぐから…」
恥ずかしそうにモジモジし始めるにの。
えっ、なんだこれ。
かーわいいの。
「にの…」
「っんだよ!」
「かわいーっ」
「ぬわっ…」
勢い余ってにのを押してしまった。
でも、後ろにソファーがあったから
なんとか大丈夫だった。
「ちょ、退いてくださいよ…」
…あ、鎖骨、見えてる…。
にのの服の隙間からちらっと覗く
鎖骨や腕。
…かわいい。
色が白くてふわふわしている
柔らかそうな体。
…って、俺はなに言ってんだよ!
俺が好きなのは、
潤だから…。