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甘く、苦く

第48章 モデルズ【反比例・比例】






「あーばさん、重い!
退ーいーてーー!」



にのが俺の肩をぐいぐい押す。

けど、女子と同じくらいの力では
俺なんか吹き飛ばせなくて。



「…にの、かわいいね」

「はあ?」



…あ、やべ。

口が滑った。



殴られる!…って思って
目を瞑った。


そしたら、頬に柔らかい感触。



「…これでチャラだからな!」

「ほぇ?……なにしたのぉ?」

「いっ、言わない!」



にのはそう言って、
自販機まで歩いてった。


俺はその後ろ姿を
慌てて追いかけた。


あの感触は…なんだったのだろうか。



そして、潤があの一部始終を
見ていたなんて思いもしなかった。




「ほら、相葉さんは無糖派でしょ?」

「え、奢ってくれたの?」

「んな分けないだろ。
今日、相葉さん家寄るから。」



…ですよね。


俺はにのからコーヒーを受け取って
そのへんのソファーに座った。

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