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甘く、苦く

第49章 磁石【move on now】session 2

櫻井side




あ、弁当忘れた。

二宮にメールして、
持ってきてもらうことにした。


…もっと一緒にいたかった。
けど、仕事って言うもんが
あるからな。この世の中には。

自分の好きなようには
できないから。


二宮には我慢を
させてるかもしれないけど…。

それでも俺を
恋人にしてくれた。


二宮は…女神のようなやつだ。


あんな可愛い笑顔を
独り占めできる俺は
かなり幸せ者だ。



「翔ちゃん、なんか
いいことあったのお?」

「ぅおっ!」



自分のデスクでニヤついてる
俺を見て雅紀が声をかける。



「…おう、ちょっとな!」

「ふぅん。
恋人でもできた?」

「はっ!?」

「図星だね。」



雅紀は楽しそうに
ケラケラ笑い始めた。


…な、なんでお前が
わかるんだよっ!



「翔ちゃんが機嫌いいのってさ、
学生のときから恋人できたとき
くらいじゃない?」

「はぁ?んなわけねえだろ。
いつも笑顔だったわ。ボケ。」

「ボケてないでーす」

「…うぜぇ。」



雅紀を小突いて
パソコンに向かった。


…二宮は、そろそろ
来る頃かな。

てか、道わかったかな。
迷子とかになってたら
困るんだけど…。

アイツ、可愛いし?

目ぇつけられたら
困るんですけど。

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