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甘く、苦く

第49章 磁石【move on now】session 2






目を開けたら、
もう朝日が差し込んでいて。


隣の二宮はすやすやと
気持ち良さそうに寝てる。



「…ん、んぅ…」



カーテンから差し込む
朝日が眩しいのか、
布団に被さってなかなか出てこなくなった。


…二宮と過ごして、
いろんな一面を見れるようになった。


ちょっと我儘なところとか、
素直じゃないところとか、
寝顔、笑ってる顔。


こんなに幸せで満たされた気分の朝は
いつ振りなんだろうか。



「…あ。」



起き上がろうとしたら、
二宮に腕を掴まれてた。


「…もう。コイツはー。」


そんなこと言いながら、
笑顔のままの俺。


二宮の俺より柔らかくて細い腕。
可愛らしい手や指先。



「…二宮、起きろ。」



そろそろ出社時間が迫ってきたから
二宮を起こすことにした。

二宮だって高校に行かないと
いけないしな。

あ、その手続きもしないと。



「…んぅ…?」



二宮の目には俺が映っていた。


これからも、こんな風に幸せで
満たされた気分の朝が
続くように俺はしたいと思った。



でも、それはまだまだ先の話。




ー続くー

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