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甘く、苦く

第51章 櫻葉【ふたりの休日】





ちゅーって長いキスをして
シャワーを別々に浴びる。

そうじゃないと
また翔ちゃんに襲われちゃうから。


それでもいいけど、
朝からそんなに運動しちゃうと

朝ご飯作るの大変だもんね。

腰が痛くて。





それに……。

翔ちゃんの食べる量、
半端ないし。


経済的な問題もあるんだから。



「雅紀~、腹減ったぁ」

「ちょーっと待ってて。
もーすぐ出来るから。」


卵焼きをお皿に盛り付けながら
翔ちゃんの方を見て微笑む。

そしたら、翔ちゃんも
微笑み返してくれるから。


それがすげえ嬉しくて、
にやにやしちゃう。

で、火傷する。



「あっつっ!」

「雅紀!?!?

あーもう……。またやったの?
怒られちゃうでしょ?

アイドルなんだから
そういう自覚持って。ね?

俺だって大切な雅紀に
傷が付いたら困るんだから。」



ぺらぺら喋りながら、
手当てをしてくれる翔ちゃん。

……ふふ。


嬉しくて、大切にされてんだなって
思ったんだ。


「はい。できたよ。
もうほんとに気を付けてね?

今月だけで怪我三回もしてるよ?」

「はぁい…。」



俺がちょっとへこみ気味に言うと

「そんな顔するなよぉ」

って、デレた声が聞こえた。



……翔ちゃんに愛されてる。

それと同時に、俺も翔ちゃんを愛してる。




「うまっ。」


ご飯を口いっぱいに詰めて、
ウィンクしてくれる翔ちゃん。


俺もできてないウィンクを
翔ちゃんに返した。

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