テキストサイズ

甘く、苦く

第54章 末ズ【ゲーム<?】

二宮side



あ、潤くんだ。

朝の静かな局な……静かでもないか。

見覚えのある背中。
くるんってなってる毛先。


「潤くんっ」


背中にぎゅっと抱きついた。

そしたら、少しビックリしたような顔。

ふふ、面白い顔。


「おはよぉニノ」

「ふふ、眠い?」

「んー、まぁ、」



髪と服は決まってるのに、
まだ、顔は決まってない。

ふふ、子供みたい。


「ねぇ、潤くん、今夜空いてる?」

「あー……ごめんね。
今夜はドラマの共演者の人たちと
飲みに行く約束あるんだよ……。
ごめんね、ニノ。

明日はオフだからさ?」

「俺オフじゃないもん。」

「ごめんごめん。
早めに帰ってくるよ。」

「……待ってるね。」

「先に寝てていいよ?」

「早く帰ってくるんでしょ?」

「うっ…」



ぎろっと睨むと後退りする潤くん。


「……嘘だよ。
楽しんできてね。」


ちょっと背伸びして、
耳元で囁いた。


「っ、…ありがと。」



潤くんは、顔を少し赤くして、
俺の手を握った。




……大好き。

この手も、匂いも。
全部大好きだよ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ