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甘く、苦く

第54章 末ズ【ゲーム<?】






ふぅっと息を吐く潤くん。

そのあとに、ぐーっと背伸びして、
うーんって唸る。


一つ一つの小さな仕草も、行動も、
全部全部見てるから。

潤くんにも、もっと俺を見て欲しい。


「……潤くーん」

「ん?」


くるっとこっちを向いた潤くんに
微笑みかける。

そうしたら、少し顔を赤くして、
微笑み返してくれる。


少年のような、天使のような笑顔。

俺はこれを独り占めできてる。


「…なーに?」

「かっこいいなぁ、って。」

「はは、そう?」

「うん。かっこいいもん。」



ソファーに足を乗っけて、
膝を抱える。

上目遣いに、こう言う。


「ねぇ、潤くん、ちゅーしよ?」



首を傾けて、少し高い声で言う。

そうしたら、俺の頭を撫でて、
ちゅっと甘いキスをくれる。


キスが終わって視線を重ねる。

擽ったい。
柔らかい。
甘い雰囲気。


「…潤くん、大好きだよ。」

「うん。俺も。」



黙って隣に座って、
抱き締めてくれる。

……あったかい…。



うとうとしていたら、
鬱陶しい声と、音。


「あ、松潤、ニノ、おはよっ」

「……ちっ」

「あーっ、今ニノ舌打ちしたぁ!」


うるさいバカは放っておいて、
カバンからゲーム機を取り出す。

潤くんは、コーヒーメーカーの方に
行っちゃったし。

バカは隣で「ニノ強ーっ!」とか、
大音量で騒ぐし。

そのうち、翔さんと大野さんが来る。


俺の右隣に座って、
経済新聞を読み出す翔さん。

空いてる席に適当に座る大野さん。


いつも通りの光景なんだけど、
今日は少し違うみたい。


世界が輝いて見える。

なんでかな。

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