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甘く、苦く

第57章 お山【大切な君へ】

櫻井side



…あちぃ。


先生の声だけが響く
蒸し暑い教室内。


「あっ、相葉くん!
寝ないの!!」


担任の大野先生が、
俺の斜め前にいる雅紀に
近付き、教科書ですこんっと叩く。


「いてっ」


その瞬間、
蒸し暑かった空気が吹き飛び、
笑いの空気が起こった。


「な、なんで笑うんだよぅ…」

って、弱気になる大野先生。

ケラケラ笑う雅紀。

見慣れた光景。

このクラスの雰囲気。





俺が楽しいのは、
笑っていられるのは、
全部大野先生のおかげなんだよ。



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