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櫻井side



「相葉さん！！」


その言葉と共に、
後ろから聞こえてきた
何かの倒れる音。


嫌な予感がして。

ゆっくり後ろを
振り返った。


「あ、あいばく…」

「相葉さん！？
大丈夫！？ねえっ！」


ニノの泣きそうな顔。

…そのとき、
思ったんだ。



薄々気づいていたけど
ニノはきっと相葉くんが好きだ。


「俺、医務室連れてくから…
みんな、いってて。」

「わかった…ニノ、早めにね」

「うん、…相葉さん……」



小さなその声も
俺の耳は逃さなかった。





…俺、ただ突っ立ってる
だけだった。

何もできなかった。

…こんなの、
好きとか以前の問題じゃん。



好きな人のために
動けないとか、
…意気地無し。


もっと頑張れよ、俺。


「…翔ちゃん、
行かないの？

…心配な気持ちも
わかるけど…」
「わかってる！！」



…あ。

自分だけじゃなくて
メンバーにまで
八つ当たりとか…

俺最悪。



自分への自己嫌悪は
高まるばかり。