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甘く、苦く

第61章 櫻葉【恋、始めてみました。】

相葉side



「翔ちゃーん、
夕飯なにがいいー?」

「あー、…あー。
…うん。」



なにかを考えるように
うんうん言ってる。


「おーい?聞いてるー?」

「えっ?
なに?ごめん…」

「んふふ、いいよ。
夕飯、なにがいい?」

「相葉くん。」


即答だった。














「んっ、ひゃ、」

「あいばく、」


ハジメテ、っていうのは
かなり緊張して。

相手が本当に好きで、
心から愛している人だから…かな?



「んぁ、あっ、」

「ここ、気持ちいい?」

「ふぁっ、ぁ、」


わかんない。

いつもを誰も触れない、
俺自身。

…羞恥心と、緊張と、
それから少しの期待。


全部が入り交じって、
もうわけがわからない。



脳が麻痺しちゃってて、
錯覚が起きてるだけ…?

でも、伝わる感覚は
全部ダイレクトに伝わってきて
気持ちいい…気がして。



「ここ、すっげー濡れてる…
ねえ、感じてる…?」

「ぅあ、あっ、」


そんなのわかんない。
ほんとにわかんない。

ただ、恥ずかしくて。

欲をすぐ出したくて。



ぎゅっと目を閉じて、
耳を閉じて。

なにもかも遮った。

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