
甘く、苦く
第62章 大宮【素直に】
ぐっ、と奥に
挿れてやれば
「っあぁ、」
って、可愛らしい声がした。
…ねぇ、やっぱり、
「智っ…」
華奢な腰を引き寄せて、
体を密着させる。
正常位のまま、
ずっと動けなくて。
愛おしさが込み上げてきて、
もうなにもできなくて。
1㎜でも動いたら、
もうどうにかしちまいそうで。
「…ニノ、…ん、」
智の声を聞いただけで、
達してしまいそうだったから
唇を塞いだ。
…だって。
「…ねぇ、ニノ、はやくぅ…っ」
平気で煽るようなことを言う
コイツに、俺は翻弄されたままだ。
…こんなの、
おかしいだろ。
「……バーカ…
ほんとにバカだな、お前。」
腰を引いて、
思いっきり打ち付けた。
「ぅあっ、あっやっ、ぁあっ、」
「くっ、はぁ…、」
腰に置いた手を
智の手に絡ませて。
眉間にシワを寄せた智に
呼び掛ければ潤んだ瞳が
俺の方を見てて。
「…ニノぉ、すきぃ…」
蕩けた顔でそんなことを
言うから、もう…
どうしようもなく
なっちゃって。
まぁ………
抑えられる気なんてしないし、
抑える気もないけど。
