
甘く、苦く
第62章 大宮【素直に】
「んぅ、」
いつもより長いキスを終えたら
2人で目を合わせて。
「…好きだよ。」
「うん、好き。」
智と目をしっかり
合わせて言うんだ。
これを言わなくちゃ、
始まらないから……
『好き』
なんて言い慣れてる。
役でもさんざんしてきた。
だけど、好きな人に言うのと
役でやってるのでは
本当に違うから……。
好きな人に言うと、
幸せになる。
「なに1人で
ニヤニヤしてるのさ」
頬を膨らませた智が
俺を見ていた
…ふふ、可愛いな。
「…好きだよ。
もうすんげえ好き。」
「…んふふ、ありがと。」
いつもより、
ゆっくり愛撫してやる。
智がとろとろになるまで
愛撫してやった
「ねぇ…っ、ニノ、早くっ…」
こうやって、
平気で煽るようなことをする
コイツは、ちょっと小悪魔だ。
俺だっていっぱいいっぱいに
なってるのに。
…ほんと、
こういうとこ狡い。
