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甘く、苦く

第63章 磁石 【move on now】session 4






…ここ、ほんとに
俺ん家か?

人気のない部屋。


あぁ、そうか。
きっと二宮は仕事を始めたんだ。

きっとそうだ。


嫌な汗が額に浮かぶ。



…二宮の使っていた
スマートフォンがリビングの
机の上に置いてあった。



「…これ、」


手に取って確かめてみれば
やっぱりそうだ。


…カレンダー…

それさえも、二ヶ月前のまま。









カチカチと時計が急かすように
嫌な音を立てる。



「二宮…っ!!」


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