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甘く、苦く

第63章 磁石 【move on now】session 4

二宮side



「…ん、んん、ふぁ、」

「ね、二宮…」


うっすらと瞳を開ければ
目が潤んだ翔さんがいた。


「しょっ、しょーさん!?」

「っ、ほんと、ごめっ。

…やっぱり、できないっ…」

「え…?」


泣き始めた翔さん。

え、ええ!?


「…俺、やっぱできない…
二宮、俺以外のヤツとも
自分の意思で何度もヤったんだろ?」

「っ、それは──…
流され、ちゃって…」

「……でも、できない、
今は、…無理だ」



…俺のせいで、
こんなことに……。


でも、一度熱を持てば
なかなか鎮まらなくて。


「翔さん、俺…」

「…ごめん、」

「…シたい、」

「ごめんっ、」

「…翔さ──…」

「俺が傷付けたから!
こんなことになったんだろ!?

…ごめん、」


いつの間にか、
熱は鎮まってて、

えっえと泣く翔さんを見てたら、
こっちまで泣きたくなってしまって。


つられ泣き、してしまった。

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