甘く、苦く
第64章 にのあい【sunshine】
「不良なんか、
やっても意味ねえだろ、」
「お前になにがわかるんだよっ」
「なんもわかんねえから
言ってんだよ!」
「うるせえっ!!!」
相手の話を遮った方が、
負けだ。
だから兄貴、
兄貴の負けだよ。
「…彼女なんて、
上部だけのくせに……」
「っ、うるせえ!」
「俺で、いいだろ!
そんな彼女より!」
「…和、」
「好きなんだよ!
ガキの頃からこっちは!
お前しか見てらんねえんだよ!」
「…知らねえよ、」
弱気になった兄貴を
押し倒して、
無理矢理キスをした。
「んっ、は、」
淫らな水音が
部屋に響く。
さっきまで彼女と
ヤってた場所で、
兄貴を犯そうとしてる──…
そんな状態にひどく興奮した。
「は、やめ、」
「なぁ、
なんで俺じゃダメなんだよ…」
「俺だって、和のこと…」
…ねえ、もう。
俺我慢できそうにない。