甘く、苦く
第64章 にのあい【sunshine】
「ほら、早く寝ろよ、
遅くまで起きてるから
いつまでもチビなんだよ」
「んだとっ、」
「あーうるさいうるさい。
さっさと寝ろよ」
「…わかってるよ」
こういうときだけ
兄貴ヅラしてくるの
ムカつくけど…
ムカつくけど、
俺は弟だから。
いつまでも弟だから…
「寝るなら、一緒に…」
「やだよ。
狭いじゃん
それに和、寝相悪ぃし」
「おまえもだろ
とりあえず!
早く来いよ!」
兄貴の手を引いて
部屋に入る。
狭いベッドにふたりで
寝っ転がって
顔を見合わせた。
「ふふ、」
「なんだよ、」
「和、カッコいいなって」
「ったりめぇだ」
嬉しいなんて、
絶対に言ってやらない。
…言ってやらないんじゃなくて
恥ずかしくて言えないだけ。
「やだよ」
「なにが?」
「まだ寝たくない…」
俺の胸元に顔を埋めてきた
兄貴。
「…俺はもう寝る」
「和、あの、」
「なんだよ」
「シたい、」
「やだってば」
「俺もやだ」
「…寝る」
「じゃあ、寝たまんまでいいから」
急に起き上がって、
俺のスウェットのズボンを
下げてきた。
「な。なにやってんだよ!」
「いいから、」
そのままパンツも下げて、
俺自身をゆっくり扱い始めた。