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甘く、苦く

第65章 お山【I LOVE YOU】

大野side



「智くん、ポッキー食べる?
ほら、ちょうどポッキーの日じゃん?」

「1日ほど過ぎていますが?」

「まーまー、そこら辺はいいの。
ね、食べよ」


…翔くんの方が食べたい。

なんてことは言えない。

だって俺たちはまだ、
付き合ったばかり。

まだ、付き合って一年も
経っていない。

だからまだ早い。


こっちおいでよ、
なんて狭いソファーの
端をあけてくれる翔くん。


「俺プリッツの方が好き」

「我儘言わないの。
いいじゃん、ポッキー。」

「…甘いじゃん」

「糖分が足りてないと思うよ
智くんは。

甘いもの最近、
食べないでしょ?」

「…差し入れでもらう」

「でもそれ、食べてるの?」

「食べてるけど…」

「どうせスタッフさんたちに
あげちゃうんでしょ?」


どうしよう。

翔くんはなんでもお見通しだ。

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