
Tell the Tale
第5章 black × yellow
待ち合わせの時間。まだ亮は来てへんみたいや。
2分くらいして、亮が来た。
黄「なんや、横山くん早いやん」
黒「俺も今来たとこやわ。行こか」
映画館に入ると、人はまばら。
平日やしな、と思いながらシアターに入ると、公開日から随分経っているせいか、更に人は少なくなり、数える程しかいなかった。
黄「これじゃほぼ貸し切りやな(笑) 一番後ろのど真ん中、取ったろ」
黒「ちょっ、待てって」
亮は機嫌がよく、はしゃいでいる様だった。
席に着いて間も無く、映画が始まった。
────
何やこの映画。
さっきから濡れ場ばっかりやんけ。
嫌でも目に入ってくるセックスシーンに、否応なく股間に血が集まる。
チッ、と小さく舌打ちをして画面から目を逸らすと、亮がこちらを向いた。
黄「横山くん、興奮してもうた?」
にやにやしながら小声で言う。
黒「──るっさいわ、しゃあないやろ」
黄「下品やなあ、横山くん」
黒「黙れ────っ、ちょ触んなッ」
黄「んふ、横山くんかーわええ」
亮が俺の股間をぎゅうっと握り、そのまま艶かしく熱くなったそこを揉む。
