(仮)執事物語
第8章 カウントダウンは甘く蕩けて〔葛城〕
何度も中を穿たれ、溜まって行く熱が出口を求めて上り詰めていく。互いの指を絡め、舌を絡め、隙間なく身体を寄せ合わせて、私達はその瞬間を目指す。
除夜の鐘が鳴り響き、星達が見守る中、私達は深く繋がり、新しい年を迎える。
「んぁっ! 葛城……っ!」
頂きが見えた私は、ギュッと葛城にしがみ付き、身体をビクビクと震わせながら、彼の欲棒を締め上げる。すると同時に葛城が私の中で弾けた。
「雛美様っ!」
大きく腰を衝き上げながら、私の中に熱を放つ葛城。私はそれを感じながら、幸せの余韻に浸っていた。
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息が整うまで、抱き合って熱が鎮まるのを待っていると、いつの間にか鐘の音が止んでいる事に気付く。
「もう、年が明けたのかしら?」
少しだけ身体を離し、彼の顔を見ながらそう尋ねると、葛城は『どうやらそのようですね』と言って微笑んだ。
「明けましておめでとうございます。雛美お嬢様」
「明けましておめでとう。葛城」
私達は新年の挨拶を交わすと、どちらからともなく、唇を寄せ合う。
この先もずっと幸せな気持ちで居られるように。ずっと一緒で居られるように。祈りながら。
~*Finis*~
2015.12.13.19:00