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(仮)執事物語

第9章 STEP×STEP〔※杜若〕


メイクも洋服もバッチリ☆

あたしは玄関の姿見に映した自分の姿を確認し、小さく微笑んで玄関の扉を開けた。

今日は莉玖とお買い物デートの日である。

更に楽しみなのは、日頃、忙しくて逢えない、綾芽先輩とマコ兄にも久々に逢える事だ。

あたしの家は、昔から東乃宮に贔屓にして頂いている酒屋で、子供の頃からお邸には出入りをさせて頂いている。

そこで莉玖やマコ兄と出会い、同じ小学校に通っていた事もあって仲良くなった。

その頃には綾芽先輩は居なかったけれど、つい最近、居所が分かって引き取られたのだそうだ。

あたしが何故、彼女を『綾芽先輩』と呼んでいるのかと言えば、彼女は大学の先輩で同じゼミの受講生だから。

凄い偶然!

ご両親が亡くなって、休学されたと聞いて心配していたのだけれど、莉玖の所に遊びに行った時に、事実を聞かされて、とっても吃驚しちゃった。

そう言えば綾芽先輩も"杜若"という苗字だったなと、その時改めて気付いたあたし。

莉玖には、『ミーってば、ほんとノンビリ屋さん』と言って笑われたけど、莉玖には言われたくない。

デートの行き先も大抵、あたしが決めてそれに付いて来てくれるだけ。

『楽しいか』と尋ねれば『楽しい』と答えてくれるけど。

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