(仮)執事物語
第10章 VACANCE DE L'AMOUR〔葛城〕
「あっ!! ああんっ!!」
葛城に突かれながら、敏感な芽を擦られ、葵の身体はもう何度達したか分からない。プールの中で愛し合った後、彼等は部屋のベッドの上に場所を移していた。
「ここなら、思う存分声を上げて下さって構いませんからね?」
そう言いながら、葛城は葵の中を掻き回す様に腰を送る。彼の欲棒が抜き挿しされる度に、粘度のある水音が淫らに奏でられる。開け放たれた窓からは、プールで燥ぐ人々の声と、潮風が運ばれ部屋を駆け抜ける。
「仕事で来た筈なのに」と、葵は殆ど快楽に溶かされた思考の片隅で思う。この精力旺盛で、自分の事を愛し過ぎている恋人は、きっとこの「視察」と言う名のバカンス中、自分を放してくれないのだろうなと。
でも、それも悪くはない。
それだけ愛されているのだと嬉しくなるのだから。しかし、わざわざここまで来たのだから、島の様子くらいは見て回りたい。そんな事を思いながら、葵は葛城に身を委ねるのだった。
二人のバカンスは、まだ始まったばかりだ。
~*Finis*~
2016.03.13.16:15