(仮)執事物語
第12章 花は温室で咲き乱れ〔葛城〕
天気の良い日の午後。私は温室で薔薇の花を愛でながらお茶を愉しんでいた。温かい陽気と一帯に漂う薔薇の香気に、一瞬、眠りの縁に引き込まれた私は、粗相をしてしまった。
「さや様! お熱うございませんか!? 早くお召し物をお脱ぎ下さい!!」
そう言って控えていた葛城は、慌てて私の傍へ駆け寄ると、紅茶が飛び散った私のスカートを引き下ろした。既に紅茶は冷めていたから、何て事はなかったのだが。
「ああ……。火傷はされなかった様ですね? 安心致しました」
私の脚元へしゃがみ込んだ葛城は、私の脚を丹念に調べ終えると、ほっと安堵の溜息を吐きながらそう言った。そして、「しかし、濡れてしまいましたね」と言いながら、紅茶の掛かって濡れている太腿に舌を這わせ始めた。
「葛城!? ちょっと!?」
「今、舐めて綺麗にして差し上げますので、そのまま動かれません様……」
葛城は私の顔を見上げてそう言うと、再び私の太腿に舌を這わせる。私の目から視線を外さずに。その瞳は妖しく光り、情欲の炎を揺らめかせていた。
葛城の舌は、次第に内側へと移動し、上へ上へと上がって来る。そして彼は私の脚を開かせると、ショーツの上から肉芽を指でなぞり始めた。
「さや様? こんな所までビシビショに濡れてしまわれましたね……。さぞや不快な事でしょう」