(仮)執事物語
第14章 【特別編】ココロとカラダ〔高月〕
僕の背中を撫でていた掌は、腰から脇腹へ、そして腹部へと滑る。腹部でモゾモゾと動く気配。カチャカチャと言う金属音の後、ファスナーが下ろされ、僕の下半身は外気に触れた。
「やっ!? 何を?」
「お召し物の股の部分が濡れていたので、脱がせて差し上げましたよ?」
高月はそう言って楽しそうにクスクスと笑う。胸の尖りを転がしていた舌は、そこから外れると、腹部を通り次第に下りていった。高月の息が太腿に当たり、彼の顔が僕の脚の付根付近にあるのだと知る。
「ほう。斗夢様の下着はボクサータイプですか。私と一緒ですね?」
そう言いながら高月は立ち上がると、僕の背後に回った。そして後ろから手を回し、前空き部(※男性器を取り出す切れ込み部分)から手を差し入れると茂みを撫でる。違う。疼いているのはそこじゃない。もっと下。もっと奥。お願い。疼いて仕方がないんだ。触ってよ。僕は心の中でそう強請っていた。
「こんなに女性らしいお身体のラインですのに……。本当に勿体ない。斗夢様のこのお身体でしたら、大勢の男達が魅了されるでしょうに……」
高月は、僕の脇腹の括れや乳房の丸みを掌で確かめる様に動かしながら、そう言って僕の心を凌辱する。けれど、既に僕はそれを屈辱だと思わなくなっていた。寧ろ、そう言われる度に、心が濡れる。もっと言って。もっと辱めて欲しいと。僕の耳を心を犯してと。
「私の言葉だけで、感じていらっしゃるのですか? 先程から、身体がビクビクと跳ねていらっしゃいますが……。きっと斗夢様の恥ずかしい部分は、ビショビショに濡れて、もっと恥ずかしい事になっているのでしょうね?」