(仮)執事物語
第14章 【特別編】ココロとカラダ〔高月〕
「高月、来て……」
僕は両手を広げて高月を抱き締める。高月が僕を抱き締め返すと、控え目に腰の律動を始めた。
「いいよ。もっと動いても……。痛みも、快楽も、お前の与えてくれるものなら、全て受け入れられるから……」
「斗夢様……。その言葉、後で後悔しないで下さいね?」
「男に二言はないさ」
「貴女は女性でしょう?」
「じゃあ、女に二言はないよ?」
「何故に疑問形なのです?」
「だって、まだよく分かってないんだもの。"女として生きる"って事が……」
「そうですね。それでは……明日から、淑女としての振舞いのレッスンを始めなければなりませんね?」
「お手柔らかに頼むよ?」
「それは斗夢様次第です」
そう言うと高月は、いつもの悪魔の様な笑みを浮かべる。その妖しい笑みに、これからも沢山お仕置きをされる自分の未来が見えて、怖くもあり、嬉しくもある。
「いっぱい虐めてもいいけど……その後は優しくしてね?」
僕が上目遣いで高月を見上げてそう言うと、高月は"ヒュッ"と息を飲み込んだ。
「貴女は私を煽るのが、お上手ですね?」
そう言うと高月は僕を押し倒し、覆い被さる。そして、顔中に口付けを落としながら、激しく僕の中を掻き回す。僕は痛みに耐えながら、高月の背中に回した腕に力を込めて、抱き締める。高月の身体が離れてしまわないようにしっかりと。
もっとエッチな気分になるのかと思っていたけれど。初めて繋がった時は、神聖な気持ちだった。
「ああっ!! 斗夢様っ! 斗夢様っ!!」
切なげに細められた目。僕の名を呼ぶ薄い唇。整った顔立ちを歪めながら、高月は僕の中を行き来する。