(仮)執事物語
第14章 【特別編】ココロとカラダ〔高月〕
「だから意地を張らないで」と高月は言って、僕に優しく口付ける。しっとりと僕の唇を包み込む、高月の少し薄い唇。僕は口を開き、彼の舌を求める。高月がそれに応えて僕の舌に自分の舌を絡ませると、僕の中で高月の欲棒が"ドクン"と脈打ち、固くそして一回り大きく膨らんだ気がした。
「あ……」
「すみません。痛いですか?」
僕が声を上げると、心配そうに僕の顔を覗き込む高月。確かにまだ痛いけれど。僕は単純に高月が僕で反応してくれるのが、嬉しかっただけだ。
「高月? お前の顔を見ながら抱かれたい。お前を抱き締めながら、お前を感じたい。駄目? お願い……」
僕がそう言うと、高月の欲棒は増々固くなり、ビクンビクンと僕の中で跳ねる。高月は、顔を真っ赤に染め、口元を掌で隠して暫く固まっていたが、やがてふっと息を吐くと「畏まりました」と言って、僕を抱きかかえてソファに横になった。
「繋がったまま動いたら痛いかも知れませんが……。身体を回転させる事は出来ますか?」
「分からないけど……やってみる。高月と離れたくないもん……」
僕がそう言って、一生懸命痛みに堪えながら高月の方へ向くと、待っていたとばかりに、高月に抱き竦められ口付けの雨が降ってきた。
「もう、放しませんよ? その御覚悟はおありですか?」
「あるよ。高月がいてくれなかったら、僕は一生一人だったかも知れない。だから、僕はお前に縋るしかない。お前の方こそ、僕から逃げるなよ?」
「私のこの身は、斗夢様だけのもの。嫌だと仰っても、生涯貴女のお傍に置いて頂きますよ?」
「じゃあ、約束……」「ええ、約束です」
そう言って僕達は誓いの口付を交わす。
僕が女だった事。執事を伴侶に選んだ事。親戚連中から色々言われる事だろう。それでも、高月とだったら乗り越えていける。高月は優秀な執事だから。