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いらっしゃいませ

第9章 言葉より大切なもの

「ねぇ、じゅん?」


眠そうなのに、眠れないじゅんに話しかけた。


「前に居た所は どんな所だった? 仲間は 居た? ぎゅってくっついて 寝てた?」


「なかま…? いた。 かな…」


ポツポツと思い出しながら、


「人はいっぱい いたよ。 ご飯くれるひと、お世話してくれるひと、ガラスの向こうで笑いかけてくれるひと」


じゅんが 笑った。


「お父さんはね、3日ぐらい 続けて来てね、抱っこしてくれたり、匂い嗅いでくれたり、話しかけてくれたり…」


ふふ と笑いながら話すじゅんを見つめながら

親愛のしるしで、鼻先をくっつけてみた。



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