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第6章 カオル



ある秋の日。

葉書が届いた。
年賀のご挨拶をご遠慮します。

喪中葉書

娘が亡くなったと、
カオルの母からだった。

私は震えた。

とっさに、10年以上連絡をとっていなかった
カオルと共通の友人に電話をした。

まさかカオルが、
信じれなくて、
受け止められなくて。


カオルは、乳ガンだったそうだ。

カオルと過ごした日々が、
次々と思い出され、
電話を持って友人と泣き崩れた。


どんなに辛かっただろう


疎遠になっていた日々、

連絡を取ることに
億劫になっていた自分を、

ただただ、悔やんだ。








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