あなたの色に染められて
第15章 公認彼女
『幸乃さんすごーい!宿泊券なんて。』
幹事さんが大きな声で番号を読み上げ始めると恒例のビンゴ大会が始まった。
『璃子ちゃんもすごいじゃない。』
『空気清浄機ですよ。これもすごいですよね。』
『ここのビンゴは景品いいからなぁ。宿泊券は山本先輩の実家の老舗旅館のいい部屋だろ。空気清浄機も誰かの会社の商品だろ。ハズレがねぇんだよ。』
豪華な景品に私のテンションは一気に上がって京介さんの胸に背を預けてることなんてすっかりと忘れちゃって
『ねぇ璃子ちゃん…その空気清浄機とこの宿泊券交換しない?』
『えっ!宿泊券の方が絶対に高いですよ!』
『うち ちーちゃんも小さいしケンタはヤンチャでしょ?老舗の旅館だとちょっと気後れしちゃうから…ダメなら…』
『マジでいいの?璃子どうする?』
老舗旅館の宿泊券なら二人でお出掛けできるかもって思うけど それじゃ釣り合わない気がするんだけど…
『本当にいいんですか?』
『やった!じゃ 交渉成立ね!実は私 空気清浄機狙ってたんだぁ。』
『良かったな璃子。クリスマスプレゼントもらったな。』
『幸乃さんありがとうございます。』
『まぁどうせ 京介くんのことだからイヴと当日は仕事で会えないんでしょ。璃子ちゃんその分贅沢させてもらってきな。』
幸乃さんにチクッと言ってもらって私は少しスッキリしたけど
『仕事だからしょうがねぇだろ?』
京介さんも逢いたいって思っててくれてた?
『でも待ってよ…璃子。23日は?空いてる?』
『はい。祝日ですからお休みですよ。』京介さんは私な肩に両手を添えると
『午前中仕事だからうちで待ってろよ。クリスマスしようぜ。』
『ホントにぃ!うれしぃ!』
宿泊券を握りしめた私を幸乃さん柔らかく微笑みながら見つめて
『京介くん。あんまり 璃子ちゃんを我慢させちゃダメだよ。』
『もう。俺 今日ずーっとみんなから怒られてんだけどぉ』
今日はなんだか とってもスッキリする一日
球納めに参加したことで私の心にみんながそっと寄り添ってくれて
誰かを愛すると輪がどんどん広がって 幸せもどんどん大きくなっていた。
『ねぇ。ケンタくん。』
ちーちゃんの横で一緒に寝ちゃった私の王子さまはいつの間にかお休みタイム。
『また遊ぼうね。』
…王子さま 今日はたくさん守ってくれてありがとうね