あなたの色に染められて
第2章 はじめの一歩
ゆっくりと京介さんが私の歩幅を合わせながら歩いてくれる。
そんな優しさに包まれてだんだん落ち着いて穏やかな気持ちになりはじめたときに
『俺ね すげーヤキモチ妬きみたい。』
突然切り出してきた。
急にそんなことを言われた私は京介さんを見上げた
『わかってるよ。まだ 彼女じゃないし 璃子ちゃんの気持ちが俺に向いてないのもちゃんとわかってる。でもね絶対にヤキモチ妬いちゃう自信がある。』
『…私はどうしたらいいんですか?』
『そうだよねぇ。こんなこと言われても困っちゃうよね。俺さ 璃子ちゃんに向き合ってもらうように 隠し事したり嘘ついたりしないって誓うから。』
意外だった。恋愛上級者の京介さんが私に宣誓をしてるしているような気がして
『あとでさ「こんなはずじゃなかったぁ」なんて悲しませてもね。』
『…うふふ…京介さんがヤキモチ妬きですか…。なんかちゃんと話してくれてうれしいです。』
二人だけのルールなのかな。こういう風にこれから少しずつ増えていくのかな。
『他にはないですか?注意事項みたいなの。』
『そうだね。…エロいかな。』
『……はぁ?』
エ…エロい?それは…私にどうしろと?
『ダメです!そっ…それはっ…ど…どうしたらいいか…私…そういうの…。』
繋いだ手を離して私は大きく手を振って
あぁ…こういうときはどうしたらいいものなのか…。
『ハハハッ。注意事項っていうからさ。
ちゃんと俺を受け入れてくれるまでいい子に待ってるから。』
お腹を抱えながらケラケラと笑う京介さんは恋愛初心者の私で遊んでる。
『もうっ!』
口を尖らせ京介さんを上目使いで睨んでやった。
睨まれた京介さんは笑いながら私を見下ろして
『そう 怒んなって。土曜日また試合なんだ。応援に来てよ。』
『行きません!』
あんなに私のことを笑ったくせに!
『もう悪かったって…機嫌なおしてよ。』
『別に怒ってませんし!』
でも ズルいんだ。私の手を救うように絡めると
…あっ…
『また 逢いたいから…。』
その優しい目で言うのは反則だよ…。
私は口を尖らせたままコクりと頷いて 繋がれている手に視線を落とした。
『決まりだね。』
こうして 私は京介さんに心を奪われていくんだ。
…染められていくんだ。